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木質素材の熱化学還元処理をわかりやすく解説

  • 2025年12月14日
  • 読了時間: 2分

⑤水分除去(乾燥)では形状寸法を安定化出来なかったオイルパームの材組織をどのようにすれば固定できるのだろうか?続編

上図は、オイルパームの材組織中の糖類が熱化学還元処理によって変化している証拠を示すものです。この実験結果は東京農業大学の教授をしておられた林隆久氏の協力で行なったものですが、CとFが熱化学還元処理後の材中の糖を示しています。 St(無処理)と比較していずれの糖も明らかに減少していることが分かるでしょう。 これらの糖類が熱分解してしまえば、前回お見せしたようにオイルパームの材組織が変形してしまうでしょうが、処理後の材の形状を見ても明らかなように樹脂化して組織を固めたことが分かるでしょう。その結果、下図に示すように処理材の強度は明らかに増加します。 この実験はオイルパームの材組織にそれぞれ種類の異なる糖類の溶液を含浸させた後熱化学還元処理を行い、処理後の物性を無処理材と比較したものです。 図から明らかなように、無処理材(×)および組織から予め糖を除去した処理材(○)と比較して熱化学還元処理した材は、糖を加えたものも加えないものも明らかに最大応力、ヤング率が増大することが分かります。この結果から、熱化学還元処理によって材組織は自己組織化が生じ、材を強固にすることが明らかになりました。 スギの場合も同様で、単位比重当たりの強度は最大で48%も上昇し、スギ材の欠点の一つである「割れ易さ」や「表面の柔かさ」が著しく改善され、その用途は建築材のみならず家具材、建具材と広い分野での利用が可能になります。

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